「紙の本?電子書籍?」本を買うときに迷ったら(Kindle編)

自炊セット(裁断機+ページスキャナ)を買って暫くはザクザクと手持ちの本をPDF化していましたが、最近はO'Reilly Japan Ebook Storeオーム社eStore(β) 達人出版会 など、自炊しなくても欲しい本がPDFで買える場が増えてきました。

しかし、自炊するにせよ電子版を買うにしろ、「あー、これは紙で読んだ方が良かったなぁ」と軽く後悔することもあります。

そこで今回は「電子書籍リーダーで読むに向いていない本(個人の感想です)」をまとめてみました。

※ 以下の内容は私の環境(Kindle 3)を使っていることが前提です。


本のサイズが大きい(=1ページあたりの文字数が多い)

書籍の版が大きいとKindleの画面サイズに合わせたときに文字が小さくなります。
O'ReillyのB5変型版(ラクダ本など)は、Ebook Storeで買ったものであればなんとか読めますが、自炊した場合にはdot-by-dotや色の階調、PDF出力時の設定など、にじみを抑えパリッと表示する工夫を加えた方がよいと思います。

文字の背景色が真っ白ではない

背景色が白色以外になるとKindleでは極端に文字を識別しづらくなります。

Kindle上では16階調のグレースケールで表示されるので・・・

  • ソースコードや設定ファイルが枠ではなく網掛けで表現されている。
  • 構成図や概念図のオブジェクトがカラー背景の上に文字
  • 全ページについて紙に濃い目のグラデーションがかかってる。

・・・などが該当します。

ただ、上記に該当する部分が含まれる本を避けると選択肢が格段に減ってしまうので、「読みづらいそうな部分に重要な情報が載っているか」「読みづらそうな部分が占める割合はどれぐらいか」を基準に多少なりとも妥協は必要です。
この点においてO'Reillyはかなり優秀です;)

スクリーンショットや写真に重要な情報が載っている

前述の背景色にも関連しますが、アプリケーションやブラウザのスクリーンショットに含まれる文字は小さくなりがちで、場合によってはアンチエイリアスのかかったフォントに何度かの画像圧縮を経ることで極端に判別しづらくなることもあります。また、ターミナルなど黒地に白の部分もにじみがでることで周囲の色(黒)に文字が侵食され、白黒2色であっても読みづらくなります。

写真の場合はどうしても光の加減や素材など天然の"ムラ"が含まれるため、グレースケールに変換されることで読む際にそれらがノイズとなって邪魔をします。

ランダムなページ移動が多い

この先は"見た目"ではなく"構成"の話です。

結論としては、Kindleは下記のような読み方は苦手のように感じられます。

  • リファレンスのようにもくじ・索引を起点に、本文との間を何度も行き来する。
    • もくじ・索引へのジャンプをサポートしていても、ページ数が多いとどうしてもボタン操作が多くなります。
    • 「正規のPDF版(あるいは高いOCR精度)+日本語もサポートした検索機能」であれば状況は変わるかも?
  • 「詳細は○章(XXXページ)」のような別ページへの参照が多い。
    • 紙の本であれば指を挟んで両ページ間を行き来するのは簡単ですが・・・
    • 必ずしも参照先を読む必要が無い、あるいは既に読んだページを参照している場合は除く。
  • 「~みたいな図が載ってたページ」「あのサンプルコード」など曖昧な検索

その本を読むシチュエーションを考える

大量の本を簡単に持ち運べる電子書籍ですが、その本が使われるシチュエーションによってそのメリットがどれだけ生きてくるのかが変わると思います。

  • 外で参照する機会があるなら持ち運びが苦にならない「電子書籍
  • 家でサンプルコードを読みながら作業するなら「紙の本」もあり?
  • 電車の中など外での隙間時間にちょっとずつでも読めるなら「電子書籍
  • 落ち着いて区切りの良いところまで読みたいなら「どっちもあり」



以上、誰かの参考になれば。